ミャンマー人留学生の市場|3年で7.7倍、数字で見る2026年版
この記事のサマリ
日本で学ぶミャンマー人留学生は、2025年5月1日時点で29,413人です。2022年の3,813人から約7.7倍に増え、中国・ネパール・ベトナムに次ぐ国籍別4位になりました。半数以上の16,165人は日本語教育機関で学んでいます。日本語学校の調査では、修了した人の約8割が進学し、進学した人の77%が専修学校(専門学校)を選んでいます。背景には、ミャンマー国内で日本語を学ぶ人が増えたことと、2021年の政変や2024年の徴兵制のあとに、若者が国外へ向かう流れがあります。
統計は 2026.10.26 時点で公表されている最新の数字です。新しい調査結果が公表されたら更新します。
この記事は、ミャンマーからの留学生の募集や受け入れを考えている日本語学校・専門学校・大学の方に向けて、公的な統計からミャンマー人留学生の市場を整理したものです。ミャンマーの若者がどう学校を選ぶのか、学校はいつ・何を届ければよいのかは、「募集編」の2本(日本語学校向けと、専門学校・大学向け)で扱います。
1. 日本の留学生は40万人を超え、専門学校で特に増えている
まず、日本の留学生全体の状況です。2025年5月1日時点で、日本で学ぶ外国人留学生は408,069人でした。前年から71,361人(21.2%)増え、過去最多です(日本学生支援機構〔JASSO〕)。
日本で学ぶ留学生
408,069人
2025年5月1日。前年から21.2%増
専門学校の留学生
106,829人
前年は76,402人。約4割増
2040年の18歳人口(推計)
約74万人
現在の約67%の規模
専門学校の留学生は1年で約4割増
学校の種類別に見ると、特に増えたのは日本語教育機関(前年から32,933人増)と、専修学校の専門課程(以下、専門学校。前年から30,427人増)です。専門学校で学ぶ留学生は106,829人で、前年の76,402人から約4割増えました。
18歳人口が減るなかで、国は送り出し国の多様化を掲げる
国内の18歳人口は、2040年には約74万人になり、現在の約67%の規模になる見込みです(中央教育審議会、2025年)。一方で政府は、2023年に「2033年までに外国人留学生40万人」という目標を掲げました。2025年の方針では、この目標の実現にあたって「出身国・地域の多様性に留意する」ことを加え、東南アジアやインドなどを重点地域にしています。
2. ミャンマー人留学生は3年で約7.7倍、国籍別4位に
その中で、特に大きく伸びているのがミャンマーです。2025年5月1日時点のミャンマー人留学生は29,413人で、前年の16,596人から約77%増えました。国籍別では、中国(131,097人)、ネパール(100,239人)、ベトナム(43,366人)に次ぐ4位で、留学生全体の7.2%を占めます。
ミャンマー人留学生の数(各年5月1日)
2023年から急に増えた
2019年に5,383人だったミャンマー人留学生は、新型コロナウイルスによる入国制限と2021年2月の政変が重なり、2021年には3,496人まで減りました。2023年に7,773人と倍増したあと、2024年は16,596人、2025年は29,413人と増え続け、2022年(3,813人)からの3年間で約7.7倍になっています。
半数以上は日本語教育機関で学んでいる
2025年のミャンマー人留学生のうち、日本語教育機関で学ぶ人は16,165人(55.0%)、大学・専門学校などの高等教育機関で学ぶ人は13,248人(45.0%)でした。日本語教育機関で学ぶミャンマー人は、前年の9,600人から約7割増えています。
ミャンマー人留学生29,413人の内訳(2025年5月1日)
- 日本語教育機関 16,165人(55.0%)
- 高等教育機関 13,248人(45.0%)
なお、JASSO の国籍別の集計は「高等教育機関」と「日本語教育機関」の2つの区分だけです。高等教育機関の13,248人には、大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専門学校・準備教育課程が含まれ、専門学校で学ぶミャンマー人だけの人数は公表されていません。
3. 日本語学校のあとは約8割が進学し、多くが専門学校へ
日本語学校で学んだあと、ミャンマー人留学生はどこへ進むのでしょうか。日本語学校の団体である日本語教育振興協会(日振協)の調査から、修了後の進路がわかります。
会員校で学ぶミャンマー人は4年で約17倍
日振協の会員校(回答184機関)で学ぶミャンマー人は、2025年7月1日時点で5,268人でした。前年度から1,511人(40.2%)増え、国籍別で3位です。2021年度の303人からは、4年で約17倍になりました。
| 2021年度 | 303人 |
|---|---|
| 2022年度 | 940人 |
| 2023年度 | 2,351人 |
| 2024年度 | 3,757人 |
| 2025年度 | 5,268人(国籍別3位) |
日振協の会員校で学ぶミャンマー人の数(各年度7月1日)。出典:日本語教育振興協会「令和7年度 日本語教育機関実態調査」
修了した人の79.7%が進学
2024年度に会員校を修了したミャンマー人2,093人のうち、1,669人(79.7%)が進学しました。就職は185人、帰国は31人です。
進学した人の77%が専修学校へ
進学した1,669人の行き先は、専修学校が1,286人(77.0%)、大学の正規課程が333人(20.0%)、そのほかが50人(3.0%)です。修了した人全体で見ても、約6割(2,093人のうち1,286人)が専修学校に進んでいます。
日本語学校を修了して進学したミャンマー人1,669人の進学先(2024年度)
- 専修学校 1,286人(77.0%)
- 大学(正規課程)333人(20.0%)
- その他 50人(3.0%)
専門学校から見ると、入学の候補者に最も近い人たちが、すでに国内の日本語学校にいるということです。日本語学校にとっても、進学先の情報をどれだけ用意できるかが、学生の進路指導に関わってきます。
ただし、この調査は日振協の会員校の回答を集計したもので、全国のすべての日本語学校ではありません。JASSO の在籍者数と掛け合わせて「全国で何人が専門学校へ進む」と推計することはできない点に注意が必要です。
4. 日本に住むミャンマー人は18万人
留学生以外も含めると、日本に住むミャンマー人は2025年末に182,567人でした。1年で約36%増え、国籍別で8位です(出入国在留管理庁)。
| 在留外国人 | 182,567人(2025年末) |
|---|---|
| 在留資格「留学」 | 35,732人(2025年12月末) |
| 在留資格「特定技能」 | 44,523人(2025年12月末、速報値) |
日本に住むミャンマー人の主な数字。出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」、e-Stat「在留外国人統計」、出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」
「留学」の人数と在籍者数は別の数字
在留資格「留学」の35,732人は、前の章の在籍者数(29,413人)より多くなっています。在籍者数は JASSO が毎年5月1日時点で学校に調べた数、在留資格「留学」は出入国在留管理庁の12月末の統計で、数える機関も基準日も違うためです。2つの数字を比べたり、足し合わせたりするときには注意が必要です。
国内にも、進学先を探す人がいる
国内には、日本語学校の在校生のほかに、特定技能などの在留資格で働きながら、進学を考える人もいます。私が関わる留学・進学支援の現場でも、特定技能から留学に切り替えて学びたいという相談は少なくありません(統計ではなく、私の経験です)。ミャンマーから直接来日する人だけでなく、国内に住む人も、学校にとっての入口になります。
5. なぜ増えたのか:ミャンマー側の3つの変化
ミャンマー人留学生が増えた背景には、ミャンマー側の変化があります。ここでは情勢についての評価はせず、公表されている事実だけを紹介します。
1. 日本語を学ぶ人が約5倍に
国際交流基金の調査では、2024年度にミャンマーの教育機関で日本語を学ぶ人は100,315人でした。前回の2021年度から81,191人(424.6%)増えて約5倍になり、国別の順位は16位から9位に上がりました。教育機関で学ぶ人の数で、独学の人は含みません。
2. 日本語能力試験の応募者は、海外で最大級
日本語能力試験(JLPT)のミャンマーでの応募者は、2025年の2回の合計で178,465人でした。年間で見ると、海外の国・地域の中で中国に次ぐ2番目の規模です。
ただし、回ごとに見ると、2025年12月と2026年7月(速報値。ミャンマーは88,995人)は韓国が上回っています。JLPT の順位は「年間か回ごとか」「応募者か受験者か」で入れ替わるため、引用するときはどの数字かを添えるのが安全です。
3. 政変と徴兵制のあと、国の外で学び・働く道を選ぶ若者
2021年2月の政変のあと、2024年には兵役法による徴兵が始まりました。対象は男性が18〜35歳、女性が18〜27歳です(専門職は男性45歳、女性35歳まで)。日本貿易振興機構(ジェトロ)は、2024年4月に施行された徴兵制が、国外への人の流れを加速させたと分析しています。
国内での進学の入口も小さくなりました。ミャンマーの大学入学資格試験の受験者は、政変前の2020年には910,229人でしたが、2026年は255,228人で、2020年の約3割です。合格率はむしろ上がっており、減ったのは受験する人の数です。なお、試験の結果は軍政下の政府機関が発表したものです。
6. 数字を読むときの注意
ミャンマー人留学生についての数字は、調べる機関によって対象も基準日も違います。社内の資料や説明会で数字を使うときは、次の点に気をつけると誤りを防げます。
| JASSO 在籍状況調査 | 毎年5月1日時点。大学・専門学校・日本語教育機関などに在籍する留学生の数。国籍別は「高等教育機関」と「日本語教育機関」の2区分だけ |
|---|---|
| 入管庁 在留外国人統計 | 6月末・12月末時点。在留資格「留学」を持つ人の数。JASSO の在籍者数とは別の数字 |
| 日振協 実態調査 | 7月1日時点(進路は前年度の修了者)。会員校の回答の集計で、全国のすべての日本語学校ではない |
| 国際交流基金 海外日本語教育機関調査 | 海外の教育機関で学ぶ人の数。独学の人は含まない |
| JLPT 応募者数 | 7月・12月の回ごとの数。年間か回ごとか、応募者か受験者かで順位が変わる |
- 違う調査の割合を掛け合わせて、人数を推計しない(例:JASSO の在籍者数 × 日振協の進学率)
- 専門学校で学ぶミャンマー人だけの人数は公表されていない
- 前年との比較は、同じ調査・同じ基準日の数字どうしで行う
7. 学校が次に考えること
この記事の要点は、次の3つです。
- ミャンマー人留学生は29,413人で、2022年からの3年間で約7.7倍になり、国籍別4位になった
- そのうち半数以上(55.0%)が日本語教育機関で学んでいる
- 日本語学校を修了したミャンマー人の約8割が進学し、進学した人の77%が専修学校へ進む
市場が大きくなった一方で、私の経験では、ミャンマーの若者は学校の公式サイトよりも先に、先輩や知人、SNS から学校を知ることが多いと感じています。どこで学校を知り、何を確かめて進学先を決めるのか、学校はいつ何を届ければよいのかは、「募集編」の日本語学校向けと専門学校・大学向けで詳しく扱います。
よくある質問
日本にいるミャンマー人留学生は何人ですか?
2025年5月1日時点で29,413人です。前年から約77%増え、国籍別で4位です(日本学生支援機構)。
ミャンマー人留学生はなぜ急に増えたのですか?
ミャンマーの教育機関で日本語を学ぶ人が2021年度から約5倍に増えたことと、2021年の政変や2024年からの徴兵制のあとに、国外で学び・働く道を選ぶ若者が増えたことが背景にあります。
ミャンマー人留学生はどんな学校で学んでいますか?
2025年は、55.0%にあたる16,165人が日本語教育機関、13,248人が大学・専門学校などの高等教育機関で学んでいます。専門学校だけの人数は公表されていません。
日本語学校を修了したミャンマー人は、どこへ進みますか?
日振協の調査では、2024年度の修了者の79.7%が進学し、進学した人の77.0%が専修学校、20.0%が大学の正規課程に進みました。
在留資格「留学」の人数と、留学生の在籍者数はなぜ違うのですか?
数える機関と基準日が違うためです。在籍者数は日本学生支援機構が毎年5月1日時点で学校に調べた数、在留資格「留学」は出入国在留管理庁の12月末の統計です。
参考文献(17件)
統計・公的資料
- 日本学生支援機構(2026).「2025(令和7)年度 外国人留学生在籍状況調査結果」. https://www.studyinjapan.go.jp/ja/_mt/2026/05/data2025z.pdf ,(2026-10-26)
- 日本学生支援機構「外国人留学生在籍状況調査結果」2019〜2024年度. https://www.studyinjapan.go.jp/ja/statistics/enrollment/ ,(2026-09-24)
- 日本語教育振興協会(2026).「令和7年度 日本語教育機関実態調査」. https://www.nisshinkyo.org/article/pdf/overview2025.pdf ,(2026-10-26)
- 出入国在留管理庁(2026).「令和7年末現在における在留外国人数について」. https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html ,(2026-09-24)
- e-Stat「在留外国人統計 国籍・地域別 在留資格別 在留外国人」(2025年12月末). https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004019020 ,(2026-09-24)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」(令和7年12月末、速報値). https://www.moj.go.jp/isa/content/001428398.pdf ,(2026-09-24)
- 中央教育審議会(2025).「我が国の『知の総和』向上の未来像 ~高等教育システムの再構築~(答申)」. https://www.mext.go.jp/content/20250221-mxt_koutou02-000040400_1.pdf ,(2026-09-24)
- 内閣官房 教育未来創造会議(2023).「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(J-MIRAI)」. https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouikumirai/pdf/230427panflet.pdf ,(2026-09-24)
- 文部科学省 高等教育局(2025).「大学の国際化にかかる施策の最新状況」. https://www.jsps.go.jp/file/storage/j-tenkairyoku/iinkai/r7/r7_pg02_1.pdf ,(2026-09-24)
- 国際交流基金(2025).「2024年度 海外日本語教育機関調査」結果. https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2025/dl/2025-031.pdf ,(2026-10-26)
- 日本語能力試験「過去の試験のデータ」. https://www.jlpt.jp/statistics/archive.html ,(2026-09-24)
- 日本語能力試験(2026).「2026年第1回(7月)日本語能力試験 応募者数」. https://www.jlpt.jp/about/pdf/2026julypr.pdf ,(2026-09-24)
ミャンマーの情勢
- UN News(2024). ‘Myanmar: Conscription law another sign of junta’s desperation, says rights expert’. https://news.un.org/en/story/2024/02/1146802 ,(2026-10-26)
- 日本貿易振興機構(2025).「外国に向かうミャンマー人若年層」. https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2025/6547b85f387fafbf.html ,(2026-09-24)
- 日本貿易振興機構(2026).「ミャンマーで政変後初の総選挙開催、軍系政党が過半数獲得」. https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2026/c212001fc11a5fd2.html ,(2026-09-24)
- 牟田博光(2026). ‘Myanmar’s Education System and Higher Education Qualifications’. NIC-Japan セミナー資料. https://www.nicjp.niad.ac.jp/en/news/Myanmar%E2%80%99s%20Education%20System%20and%20Higher%20Education%20Qualifications_HiromitsuMUTA.pdf ,(2026-09-24)
- The Star(2026). ‘Over 130,000 students pass Myanmar’s nationwide matriculation exam’. https://www.thestar.com.my/aseanplus/aseanplus-news/2026/06/29/over-130000-students-pass-myanmar039s-nationwide-matriculation-exam ,(2026-09-24)
Myandemy Japanについて
Myandemy Japan株式会社は、日本で学び、働きたいミャンマーの若者を支援する会社です。日本語を学ぶだけで終わらせず、その力を留学や就職といった次のステップにつなげることを目指しています。主な事業は、キャリア支援アプリ「myandemy.ai」の開発・運営、学習者のレベルに合わせたオンライン日本語授業、進学先の学校選びから出願準備までを伴走するキャリアコーチングです。また、ミャンマーの料理や衣装などを体験できる文化交流イベントも企画し、日本の方にミャンマーを身近に感じてもらう活動にも取り組んでいます。また、その経験を、企業の営業・マーケティング・事業開発にも活かしています。
